撮影:守屋友樹

 
1 《ねじれの位置のドローイング》
2023
壁に鉛筆、色鉛筆
 
2 《バケツと湖 #2》
2023
バケツ、iPad、石
 
3 《降り落ちるもの》
2023
窓、凸レンズ、鏡、針金、ノート、コップ、枝、木材、石、紙、絵具皿、その他
 
4 《バケツと湖 #1》
2023
バケツ、iPad、石
 
5 《雑巾と木漏れ日》
2023
雑巾、LED、電子回路、電池、大学内で計測した木漏れ日のデータ
 
6 《雨の日のために》
2023
ガラスコップ、雨漏り
 
 
「セイアンアーツアテンション16 Error of Reality」
会 期| 2023年10月13日[金]—11月11日[土]11:00—17:00
休館日| 日・月曜日・祝日
会 場| 成安造形大学【キャンパスが美術館】

 

 中学の頃に、数学の授業で空間上に存在する2つの直線は、同一の平面上にあるか、並行か、ねじれの位置かのどれかだと習った。空間上に描ける大半の直線はねじれの位置にあるが、それらはどこまで伸ばしても決して交わらないという。

 作品を作る中で物事の関係性を探ろうとすると、逆に膨大な関係性のなさを意識せざるを得ない。今回もバケツに嵌め込む映像用に、大学のそばにある湖畔の公園に撮影のため何日か通ったが、草刈機の音がずっと鳴っていたり、人が多くて賑やかだったり、風が強くて水面が波立っていたり、なかなかこちらの思う環境の日がなかった。ただ、公園の日常にとっては、三脚を立て何でもない水面を撮影しつつ石を投げこむ怪しげな人物の都合など、明らかに関係ない話だろう。世の中にはそんな関係なさの関係性が無数にある。

 だがもし、そんな関係ない線たちの斜め上方に光源があるとすれば、地面に落ちる影は重なりあうのではないか。その中の一本の線となり、よく晴れた日の森の木漏れ日のような折り重なる影の中を歩いていくのを想像してみる。