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今村さんへ
こちらこそ、ややこしい病気の話ばかり書いていて、返信がしにくかっただろうと思います。
たぶんこれは、ぼくの露出癖のせいだろうと思っています。病気のこととか、障害のことはなるべくオープンにした方がいいのではという70年代の発想から来ているのかとも思うのですが、ついつい口が滑って言わなくていいことまで発言してしまい、X(旧ツイッター)などで失敗してしまうようなこともあったので気をつけようとは思っているのですが、危ないところです(笑)
さて、今村さんから「スルーネットピンポン」と「無鄰菴」の報告をしていただきました。特に「盲人卓球」(ぼくの学生時代にはスルーネットピンポンのことをこう呼んでました)は、確かにぼくにとってはけっこうあたりまえの体験だったので、今村さんの言葉で報告してもらうのが新鮮でした。これらのリサーチも含めて次の二人展に繋げて行ければと思っていたら「東京都渋谷公園通りギャラリー」の門さんから東京で企画をしたいというオファーがあり、間もなくそのプレイベントが開催されます。
今回メインとなるのは、「触覚のテーブル」を使っておこなうワークショップですね。今村さんに新作として作っていただいたのですが、先日作品を輸送する前に少しさわらせていただきました。
32種類の手ざわりをテーブルの上で体験できます。1枚の大きさが20cm四方ぐらいでしたか。これはもう、一つのさわる彫刻作品です。ぼくがワークショップで使ってきた「手ざわりのカード」とはまるで違いました。指先でさわるだけではなく手のひらでもゆっくりさわれます。一枚一枚の手ざわりを十分確認してから次の手ざわりに移動する時間の余裕があるのがすばらしいです。
一つの手ざわりを十分読み込んでから次の手ざわりに移動すると以前さわっていた触覚の残像が次の手ざわりで見事に裏切られます。そのような瞬間にゾワゾワした感覚を感じました。かたちや色の変化はありません。ただ触覚の変化だけで画面が移り変わっていきます。いつまでもさわり続けていたいという気持になっていました。さてこれだけすばらしいものをさわりながらどれだけのワークショップができるのかがちょっと不安になっています。さわるだけで十分!言葉は必要ないって感じです。
もう1つ、ワークショップでは、珈琲の香りや味を触覚に置きかえてみるというようなこともやります。L PACKさんというスペシャリストをゲストにお迎えします。これも今村さんがぼくの珈琲好きから提案してくれた企画ですね。盛りだくさんでどういうことになるのか少し心配しています。
とりあえずは、展覧会の案内を兼ねての返信としました。
光島貴之